サムチップに関して
以前コラムに「ビルチェンジに使うサムチップ」を書きました。
今回もサムチップに関して、書いてみたいと思います。
少し前なら、最初にサムチップに出会ったマジックと言えば、“掌中のハンカチーフ”で、マジックを始めてまもなく購入した人が多かったと思いますが、最近は情報が溢れているので、かなり後から購入した人も多いかも知れません。
ちなみに私もそうです。
ひょっとしたら未だに持っていないと言う人も居てるかも知れません。
実際に使ってみると、解説書通りにやってみても、案外使いにくかったりします。
今から書くことは、オールマイティーではありません。
指の太さやサムチップの大きさ、手の質などによって異なるので、一概に全てに通じるものとは思ってませんが、一度目を通して試してみて下さい。
サムチップの相談でよく聞くのが、「サムチップが外れて落ちる」といったものです。
その人たちに話を聞くと、「サムチップと指の大きさが合ってないから、小さいものを使うが、それだと少し大きいものになると、入りきらない」という意見を聞きます。
その人たちの認識は、「サムチップは、指にはめると、親指の間接のところで隙間無くピッタリはまるもの」が、ベストの大きさと思っています。
でも実はそうではありません。
サムチップの大きさは、入れるものに対してあわして下さい。
中に物を入れて、サムチップをはめる時は、指の腹(指紋側)にサムチップがあたるようにしてはめると外れにくくなります。(よって、中の物は爪側になります)
指の腹と爪では、サムチップに当たったときの摩擦が違います。
なので、指の腹が当たっていると、抜け落ちにくくなります。
サムチップは、奥までしっかりと指にはめる必要はありません。
「長さが気になる」といった意見も聞きますが、手を開いて見せるにしても、サムチップはお客さんに向けて見せるので、長さは気になりません。
長さが気になる角度で見せると言うことは、サムチップと指の節目も見せてしまうことになるので、このような見せ方は避けるべきでしょう。
手を開いて見せるにしても、サムチップの付いた指だけお客さんの方に向けて、他の指は開ききった状態で見せるのは不自然なので、軽く開く程度でいいと思います。
感じで言えば、全ての指をお客さんに向け軽く開くぐらいで十分です。
お客さんが数人居てるときは、正面のお客さんにチラっと見せる感じで開いて下さい。
そのとき、サムチップ以外の四指を横に(握手する時の手のような感じ)して、片方のお客さんから、節目を見えにくくしてください。
反対側に居てるお客さんは、もう片方の手で、少し離して角度的にカバーしてください。
「これだと、全員に見せてないので、良くないのでは…」と思うかも知れませんが、複数居てる中で、少数の人に見せて、その人が怪しまなければ、残りの人も怪しまない事が多いです。
そもそもサムチップは、しっかりと見せるものではありません。
昔は金属の入れ物に、茶封筒の紙を張ったものを使っていたと言う話を聞きました。
“指にはめれる容器”ぐらいのもので、“見せる”といった使い方はしませんでした。
なので、“太すぎる”とか“奥まで入らない”とかは気にせずに、上に書いてあるような感じで使ってください。
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